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こんにちは。
オハナこどもクリニック赤羽院長の宮川雄一です。
今回は、お子さんの頭痛が気になったら?というお話をします。
頭痛で数時間寝込むことがある、活動は出来る程度の頭痛が長期間続く、頭痛で朝起きられない、など、子どもでも大人でも頭痛で悩む方は多いです。
裏に隠れている何らかの病気によって引き起こされる頭痛に注意が必要です。裏に隠れている病気として、脳腫瘍、脳出血、副鼻腔炎、緑内障、高血圧症などが知られています。これらの多くは子どもでは稀ですが、副鼻腔炎はしばしばみられ、頭痛を悪化させます。
裏に隠れている病気がないことが確認されたら、次は片頭痛と緊張性頭痛のどちらなのか、あるいはどちらの要素が強いのかを考えます。片頭痛と緊張性頭痛では特徴も治療法も異なります。どちらの頭痛も併せ持つということもよくあります。
片頭痛は、動作により悪化し生活に支障を及ぼすズキズキする頭痛で、特徴的な前兆発作を認めることもあります。緊張型頭痛は、動作は可能な程度の締め付けられるような頭痛で、肩こりを伴うことが多いです(ただし、片頭痛発作が生じる前に肩こりを訴える方もいます)。
片頭痛は発作の誘因を避けると同時に、適切な発作時の治療薬と予防薬を選択することが治療の鍵になります。緊張型頭痛はお薬で改善しにくく、生活習慣の見直し、姿勢の矯正、心理療法などのお薬以外の治療が中心になる点が重要です。治療法が異なる二つの頭痛ですが、先ほどお話した通りしばしば共存し、次第に区別がつきにくくなることが治療を難しくします。
また、起立性調節障害に伴う頭痛もあります。発症には体質や、ストレスなどの心理社会的な要素が様々な程度で関与しています。立ちくらみを起こしやすい、朝なかなか起きられない、午前中調子が悪い、などの症状を持つ方に多く、午前中に目立つ、立っていると悪くなる、首の後ろが痛む、などが頭痛の特徴とされています。片頭痛や緊張型頭痛との区別がつきにくいことがあります。また、特に心理社会的な要素が強く関与する場合は改善しにくいことも多く、注意が必要です。
当院では、まず裏に隠れている何らかの病気による頭痛の可能性がないのかを検討し、次に問診票や頭痛日誌を用いて頭痛の「型」を判断し、更にそれぞれに有効な治療を提案しています。
特に緊張型頭痛の要素があると治りにくく長期化することが多いですが、必要に応じて他の医療機関と連携をしながら、「頭痛との付き合い方」をお子さん、ご家族と一緒に探れればと思いますので、お悩みの方はご相談下さい。
オハナこどもクリニック赤羽
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★個々のお子さんについてのご質問は個別にお答えするのが困難ですので、ご心配なことなどがあれば受診を検討ください。なお、内容によってはオンライン診療も可能です。