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こんにちは。
オハナこどもクリニック赤羽院長の宮川雄一です。
スギ花粉の飛散時期が近づいて来ました。
今回は、アレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法のお話をします。
舌下免疫療法はダニまたはスギによるアレルギー性鼻炎の方が対象です。そして、それぞれで使用するお薬が異なります。そのため、まずお子さんがダニやスギに対するアレルギーを持っていることを、症状と血液検査で確認します。
今まで内服薬と点鼻薬でも症状が酷かった方も、舌下免疫療法により症状が和らぎ、内服薬だけで症状が抑えられるようになる、ということもよくあります。治療を受けた方のうち80%程度が改善を実感したという報告があります。
治療の効果が現れるまで半年程度かかる場合があること、最低3年間は治療を受ける必要があること、今まで使用していた薬剤が完全に不要になるとは限らないことに注意が必要です。また、スギによるアレルギー性鼻炎の治療は、スギ花粉が飛散していない時期に開始します。気管支喘息の発作がよく起きている方は、先に気管支喘息の治療を行って、状態を良くします。舌下免疫療法の効果は終了後も3〜5年続くといわれています。
ダニやスギの抗原が少し含まれたお薬を1〜2分間舌の下に置いた後に飲み込みます。内服は1日1回ですが、内服後5分間は飲食を、前後2時間は入浴や運動を控える必要があることを踏まえて、どの時間帯にするのかを決めます。副作用として、口・喉・耳の痒み・刺激感・不快感の頻度は高いですが、1〜2ヶ月以内に消失することが多いです。一方、蕁麻疹やアナフィラキシーなどの全身反応の頻度は低いですが、注意が必要です。このような副作用に気を付けながら、初回は当院で内服し、以降は自宅で内服を継続します(一度増量します)。このような方法で内服できるお子さんであれば、年齢制限はありません。
いくつかの注意点はありますが、重症度を問わず、アレルギー性鼻炎の症状を軽くして生活の質を向上させることが期待される治療ですので、お子さんがアレルギー性鼻炎でお悩みの方は是非ご相談下さい。
オハナこどもクリニック赤羽
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★個々のお子さんについてのご質問は個別にお答えするのが困難ですので、ご心配なことなどがあれば受診を検討ください。なお、内容によってはオンライン診療も可能です。