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ブログ|オハナこどもクリニック赤羽|北区赤羽駅西口徒歩3分の小児科|土日診療(隔週)

便秘が気になったら?

こんにちは。

オハナこどもクリニック赤羽院長の宮川雄一です。

今回は、お子さんの便秘が気になったら?というお話をします。

 

食事・水分・運動などで便秘の改善に有効と言われている方法を色々と工夫しているにも関わらず、お子さんの便秘が治らなくて困っている方もいらっしゃれば、他のことで病院を受診した際にお子さんの便秘を指摘されて驚いた方もいらっしゃると思います。

どの程度の症状があれば治療が必要な便秘と考えられ、何を治療の目標とすれば良いのでしょうか?

 

便が溜まっていることや排便が難しいことにより、何らかの症状が現れている場合は、治療が必要な可能性が高いです。排便回数も大切ですが、便貯留や排便困難の方が、より治療開始の指標になるでしょう。「何らかの症状」としては、腹痛・嘔吐・ゲップ・便漏れ・裂肛・見張りイボ・肛門周囲の皮膚の爛れなどがあげられます。便秘がおねしょを悪化させることも知られています。

直腸(肛門の手前)に便が溜まった状態が続くと、直腸の壁が伸びてしまい、便意を感じにくくなります。また、便が硬く排便時に苦痛を伴うようになると、排便を我慢するようになります。このような負のスパイラルを断ち切るために、適切なお薬を使う必要があります。

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まずは、直腸に便が詰まった状態(便塞栓)なのかを判断します。便塞栓を解除するには、浣腸が必要です。連日浣腸を行うこともありますが、これによりいったん直腸が空になると、再び便意を感じられるようになります。便塞栓がある状態で便を柔らかくするお薬を使用しても充分な排便は得られませんし、腸の動きを刺激するお薬を使用してもお腹が痛くなるだけかも知れません。

便塞栓がなく、便が硬い場合は、便を柔らかくするお薬が有効です。酸化マグネシウムやモビコール(2歳以上で使用します)が代表的なお薬です。お子さんが飲みやすく、調整しやすいお薬を選択します。どちらも推奨されている量を内服するのであれば、安全なお薬です。

便塞栓がなく便も硬くないけれど、便意を感じにくい場合は、腸の動きを刺激するお薬が有効です。飲み薬や座薬があります。

治療の目標は、困難なく充分な量と回数の便が出て、直腸に便が溜まらない状態を維持することです。個人差はありますが、目標を達成するために数年間の投薬が必要なこともあります。

排便が楽になると、決まった時間にトイレで排便する習慣がついてくるお子さんもいます。長期間の治療は大変ですが、お子さんの日常生活を大きく改善させ、食事・水分・運動を色々と工夫してもお子さんの便秘が良くならないというご家族のストレスを大きく減らすことが出来ますので、お悩みの方は是非ご相談下さい。

なお、今回詳しくは触れていませんが、全身あるいは腸の病気に伴い便秘になることもあり、当院での診察時はそれらの可能性にも注意をしています。

オハナこどもクリニック赤羽

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★個々のお子さんについてのご質問は個別にお答えするのが困難ですので、ご心配なことなどがあれば受診を検討ください。なお、内容によってはオンライン診療も可能です。

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